かしこくたのしく

20代 横浜市民 男性の日常と独り言

世界が終わると言われる「2025年7月5日」について考える

「2025年7月5日に世界が滅びる」という噂が、ネットやSNSを中心に広がっている。

巨大隕石が落ちる、太陽が爆発する、地軸がズレる…。こうした話を耳にして不安を覚える人も少なくないだろう。

だが、結論から言えば、その可能性は限りなくゼロに近い。以下、各説について冷静に検証し、現実的に否定する根拠をまとめる。

 

目次

 

1. 繰り返されてきた「世界の終わり」予言

「○○年○月○日に世界が終わる」といった予言は、歴史をさかのぼれば枚挙にいとまがない。たとえば1999年には「ノストラダムスの大予言」が話題となり、多くの本が出版され、テレビ番組でも特集が組まれた。しかしその年の7月、何も起こらなかった。

2012年には「マヤ暦が終わる=人類滅亡」という説がインターネットを中心に拡散され、大規模な終末論が再燃した。このときも、「地球が反転する」「惑星ニビルが衝突する」といった話が飛び交い、特に若者層の間で不安が広がった。だがやはり、その日も世界は変わらず回り続けていた。

このように「終末予言」は周期的に現れ、そのたびに多くの人々の心に恐怖を与えるが、いずれも現実とはならない。こうした情報に踊らされるたびに、本当に大切な「今この瞬間」が不安によって侵食されてしまう。それはとてももったいないことだと思う。

2. 隕石衝突説:NASAの観測網が明確に否定

最もよく語られる「世界滅亡」のシナリオの一つが、巨大隕石の衝突である。「地球に直撃する小惑星がある」「公式は隠している」などという噂は、都市伝説の定番でもある。

しかし、実際のところNASAをはじめとする各国の宇宙機関は、地球に接近する天体(NEO=地球近傍天体)を24時間体制で観測しており、そのデータは公的に公開されている。直径140メートル以上の天体であれば、衝突の数十年〜数百年前にはすでに軌道が予測されており、もし本当に危険があるならば、既に国際的な警告体制が敷かれているはずだ。

NASAの「CNEOS」(地球近傍天体研究センター)の公式ページを見ると、今後100年間に地球に衝突する見込みのある天体はゼロである。ましてや2025年7月5日に限定して、衝突リスクがある天体は確認されていない。

つまり、「隕石が明日落ちて世界が滅ぶ」という話は、科学的な根拠がまったくないものである。

3. 太陽の異常説:爆発は起こらない

次に多いのが「太陽が爆発する」「太陽フレアで地球が焼かれる」といった説である。確かに太陽フレアは、強力な電磁波を地球に送り、一時的に通信障害を起こす可能性はある。しかし、これが即「地球の終わり」につながることはない。

また「太陽が超新星爆発を起こす」といった話も見かけるが、これは完全な誤解である。太陽の質量では、超新星爆発を起こすことは物理的にあり得ない。現在の天文学では、太陽は今後も数十億年にわたって安定して輝き続け、最終的には「赤色巨星」「白色矮星」として一生を終えるとされている。

つまり、「太陽が明日爆発して地球が消滅する」といった話は、天文学的に成立しないということを知っておいてほしい。

4. 地軸のズレや極移動も一夜には起こらない

「地軸がズレて地球規模の災害が起きる」という説も根強く語られている。これはいわゆる「ポールシフト」のような話で、過去に地球で極の位置が移動した痕跡があるのは確かである。

しかし、その変動は数千年〜数万年単位の非常に緩やかな現象であり、明日突然発生するようなものではない。また、仮に極移動が起きたとしても、それは一瞬で世界が終わるような事態にはならない。現代の地質学や物理学の知見に照らせば、明日にでも「地球の軸がズレて全人類が滅亡する」といった事態は考えられない。

むしろネット上では、こうした言葉の響きが「いかにも起こりそう」に思えてしまうため、無意識に恐怖心を煽られてしまうのだ。

5. もし本当に危機があるなら、世界は黙っていない

これは非常に重要な視点である。現代社会において、地球規模の危機が差し迫っているのに、それを全ての政府・科学者・報道機関が一斉に隠し通すというのは、事実上不可能に近い。

インターネットがこれだけ普及し、誰でも天文観測データや衛星情報にアクセスできる時代に、「関係者だけが知っている」という陰謀論は成り立たない。むしろ、少しでも危機がある場合、国際会議や緊急警報が即時に発表されるはずだ。

したがって、何の公式発表もない現時点で、「世界が明日終わる」と断言するほうが、非現実的というわけである。

6. 不安になる気持ちには寄り添いたい

ここまで科学的な根拠を示して否定的に述べてきたが、不安になる気持ちそのものは否定しない。誰しも、未来に対して漠然とした不安を抱くことはある。ましてや「世界が終わる」といった極端な情報に触れれば、心がざわつくのは当然のことである。

しかし、それに飲み込まれて心を擦り減らすのは、本当にもったいない。不安な気持ちが出てきたときこそ、信頼できる情報に触れたり、誰かと気持ちを共有したりして、現実に足をつけることが大切だ。

好きな映画を観たり、美味しいご飯を食べたり、家族や友人と話したりして「今を大切にする時間」を取り戻してほしい。世界は明日も変わらず、静かに動き続けている。

7. 参考リンク・信頼できる情報源

最後に、今回の記事を構成するうえで参考にした、また読者自身が冷静に情報を見極めるために役立つ信頼できるサイトを紹介する。どれも公的かつ専門性の高い情報源であるため、不安を感じたときはこれらに立ち返ってほしい。

明日、明後日も、それ以降もずっと世界は変わらず回り続ける。

そして、「やっぱり世界は滅びなかったね」と、いつも通りの一日が始まることを心から願っている。